緑の中の労働体験、 ワーキングホリデー
「ワーキングホリデー」とは、もともと青少年の国際理解や友好を促進する目的で、日本と諸外国との間に設けられた海外滞在システムです。これを農山村と都市部との関係に生かした「国内版ワーキングホリデー」が日本各地で行われています。広い意味では前回ご紹介したグリーンツーリズムに含まれますが、労働力を提供するという点から、よりはっきりとした目的を持ち、積極的に農山村の仕事や生活に参加するシステムと考えるとわかりやすいと思います。
農産物の収穫など最も人手のいる時期に、村外からの労働力を得る。都市部からの参加者も労働を通して農業や暮らしの理解を深める…平成10年に日本で初めてワーキングホリデーを開始した宮崎県西米良村では、九州はもとより北海道、首都圏などからも参加者があるようです。他にも、各地で地域の特色を生かしたさまざまな取り組みが行われています。年間のカリキュラムに沿った定期的な森林体験や伝統食づくり、棚田のオーナーになって田植えや稲刈りなどの作業を行う制度など、こうした機会を通じて、農山村の生活の楽しさやたいへんさ、暮らしの知恵などを身をもって知ることができれば、都市部へ戻った時、グリーンライフの意味合いがぐっと深まっていくのかもしれませんね。
子どもを軸に
農山村との交流が深まる
山村留学
小中学生がいらっしゃるご家庭なら、山村留学を視野に入れて考えるのも楽しいことです。山村留学は昭和40年代に始まり、今では多くの市町村で実施されています。山村留学には春、夏、冬休みなどを利用した短期のものと、1年単位の長期留学があります。対象は基本的に子どもたちだけですが、親子留学などの制度もあります。制度が始まったのはちょうど高度成長期で、現在とは社会環境も学校環境もずいぶん違いますが、子どもたちの生きる力、考える力を育むという観点から、もっともっと注目していい制度かもしれません。
長期留学では、子どもたちは地元の公立学校へ通いながら、農山村ならではのさまざまな活動や遊びを体験します。豊かな自然環境の中、少人数のクラスで子どもたちがどんなことを学び、身につけていくか。これは大きな楽しみですね。また、地元の方に里親になっていただくわけですから、親御さん同士が頻繁に連絡を取り合うことも日常となります。子どもたちを軸に、親戚以上のおつきあいに発展することも多く、各地で楽しく実りある交流が広がっています。このような体験は、短期間の旅行などで得るものとはまた異なる感動があります。それはきっと都市部の暮らしに広がりと潤いをもたらしてくれるでしょう。想像しただけでもワクワクしてきます。身の回りにある緑。その背後に農山村の人々の営みをはっきりと感じながら、豊かなグリーンライフを楽しみたいですね。
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