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元気な野菜を育てる基本は土づくり。
そこで初めて野菜づくりにチャレンジする方にもわかりやすく、
土づくりの基礎講座を6回シリーズでお届けします。

 
     
 
第3回:土壌改良
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  image   畑の土は、はじめから作物の生育に適した条件とは限りません。
土の状態が整っていなければ、
十分に水を与えても作物が弱ってしまったり、
葉が黄色くなったりしてしまいます。
元気な作物を育てるために、
あらかじめ土の状態を調べて、必要な用土や土壌改良材を加え、
適切な土壌に改良しましょう。

  
 土質について
 
  ●砂質土と粘質土
土はもともと岩の砕けた粒ですが、粒の大きさでずいぶん性質が異なります。粒が大きい土を砂質土、粒が小さく伸びや粘りを持つ土を粘質土と呼びます。ためしに畑の土を湿らせて指先でねってみてください。ツルツルして伸びがよければ粘土が多く、ザラザラして伸びなければ砂が多い土です。小さな粒が並んですき間がせまい粘質土では、水はけや通気性が悪くなっています。砂質土は水はけや通気性はよいのですが、水もちや肥料もちがよくありません。粘土と砂をバランスよく含む壌土と呼ばれる状態が、野菜を育てるのに適した土です。
  ●日本に多い火山灰土の特徴
土質は地域によっても異なります。たとえば海の近くでは砂質土、山の近くでは砂利や小石の混ざった土などが見られます。火山国の日本に多い火山灰土の土壌は、表層が黒土、下層は粘質土の赤土です。赤土は火山灰や小さな軽石が風化してできたもので、火山灰のなかの鉄分が酸化するため、酸化鉄の赤みを帯びています。黒土は赤土の上に落ちた枯れ葉や植物の根などが腐り、それをミミズや土壌微生物が赤土の粒とかき混ぜてできています。黒土は粒がくっついた小さなだんご状の団粒構造になっているので、水もちや肥料もちに優れています。
 
      
  バランスのよい土づくり  
        
  
 土質の改良
 
  はじめに畑をつくる場所の土質を把握しましょう。土の状態に応じて用土や土壌改良材を選び、耕しながら土に混ぜ込んでいきます。通気性や排水性にすぐれ、水もちや肥料もちのよい土にするには、団粒構造の土をつくることが大切です。そのためにあらかじめ団粒構造になっている赤玉土や鹿沼土、黒土を混ぜると効果的です。また堆肥や腐葉土など有機質の資材を加えて耕すと、微生物の働きで土の団粒化が促されます。  
用土・土壌改良材の種類
 名 称







特 徴   
黒土 関東台地の火山灰土(ローム)の表層土
赤玉土 火山灰土の下層土を粒状にした弱酸性土
鹿沼土 軽石質の火山砂が風化した酸性土
ボラ土 日向土とも呼ばれる軽石質の弱酸性土
真砂土 花崗岩が風化した弱酸性の赤土
川砂 × 砂質土だが保水性がある
富士砂 × 火山灰砂で角ばっている
腐葉土 微生物が枝葉を分解した弱酸性土
バーク堆肥 樹皮や木くずを堆積して発酵させたもの
牛フン堆肥 牛フンとモミ殻などを発酵させたもの
ピートモス 湿地の水苔が泥炭化した酸性土
パーライト × 真珠岩や黒曜石を高温処理した多孔質の中性土
バーミキュライト ヒル石を高熱処理した層状の中性土
ゼオライト 沸石とも呼ばれる多孔質の鉱物
 
        
 土壌酸度の調整
 

●養分の吸収に影響する土壌酸度
植物には生育に適した土壌酸度があります。なぜなら養分の吸収に、土の酸度が大きく影響を与えるからです。肥料などの養分はそのままでは水に溶けないため、原子が電気を帯びたイオンの状態になることで水に溶けています。根は水といっしょに、イオンの形で養分を吸収します。このように肥料の成分が吸収されやすいイオンの状態になるために、ちょうどよい酸度の範囲があるのです。

根から養分を吸収するしくみ
土中の肥料は、原子または原子の集団が電気を帯びたイオンになって水に溶けることで、根に吸収されます。(図はリン酸カルシウムの例)
  
肥料成分中のイオン
●陽(+)イオン
カリウムイオン
アンモニウムイオン (窒素と水素の原子の集団)
カルシウムイオン
鉄イオン
銅イオン
●陰(−)イオン
塩化物イオン (塩素のイオン)
硝酸イオン (窒素と酸素の原子の集団)
リン酸イオン (リンと酸素の原子の集団)
硫酸イオン (イオウと酸素の原子の集団)
  
 

●酸性に傾きやすい日本の土壌
雨が多い日本では、雨水がカリウムやカルシウムなどの陽イオンを流して、余分な水素イオンが土のなかの水に溶けこみます。日本の土が酸性に傾きやすいのはそのためです。酸性の土では作物はよく育ちません。土が酸性になるとアルミニウムイオン(陽イオン)が溶け出して根の細胞をこわしてしまうからだといわれています。またアルミニウムイオンはリン酸イオン(陰イオン)と結びつき、水に溶けにくいリン酸アルミニウムになるため、植物の根は重要な肥料のリンを吸収できなくなります。土が酸性に傾くと作物の生育が悪くなり、葉が黄変したり葉先が枯れたりしてきます。また病害も出やすくなります。
例外的に埋め立て地などでは、土壌がアルカリ化していることがあります。そのような場合は酸性資材の過リン酸石灰などを用いて酸度を調整してください。

●植物は弱酸性〜中性を好みます
土壌酸度を簡単にチェックできる酸度測定液や、センサーでpHを計るpHメーターが市販されていますので、畑の土の酸度を測定してみましょう。ほとんどの作物はpH6〜7の弱酸性〜中性を好みます。酸性に傾いている土壌にはアルカリ性の石灰などを加えて酸度を調整しましょう。消石灰は土に混ぜて1週間から10日おく必要がありますが、苦土石灰はすぐに作物を植えられます。なお土の酸度を知らずに石灰を撒きすぎると、アルカリ性に傾いて、土が固くなったり肥料の分解を妨げたりすることがあるので注意してください。また作物によっては、茶やミカンなど酸性の土壌を好むものがあります。育てる作物の性質を知って酸度調整を行いましょう。
はじめに酸度調整していても、野菜をつくると土は酸性に傾きます。野菜が石灰を吸収すること、与える肥料に酸性のものが多いこと、かん水で石灰が流失することなどが原因です。年に2回ぐらい、作物を植えていない休閑期に畑全面に苦土石灰や消石灰をまいて耕しておきましょう。

  
pHって何?
酸性とアルカリ性を数値で示す指数のpHとは、水素イオンの濃度を表しています。水素イオンが多いと酸性、水素イオンが少ないとアルカリ性になります。pH7が中性です。pH7より小さいと酸性、pH7より大きいとアルカリ性です。pHの数値が1小さくなるごとに水素イオン濃度は10倍になります。たとえば酸性のpH4と中性のpH7を比べると、数値の差は3ですから10の3乗で1000倍の水素イオン濃度になります。

 

  
pH6〜7を最適とする作物
野菜いろいろ
●ダイコン ●カブ ●ニンジン
●トマト ●キュウリ ●ナス
●スイカ ●リンゴ ●レタス
●カボチャ ●キャベツ ●ホウレンソウ
●セロリ ●ハクサイ ●タマネギ
など

 

  
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次回は「施肥」についてです。
 
 
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