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元気な野菜を育てる基本は土づくり。
そこで初めて野菜づくりにチャレンジする方にもわかりやすく、
土づくりの基礎講座を6回シリーズでお届けします。

 
     
 
第4回:施肥
  image   作物が健康に育つためには、土に養分となる肥料がバランスよく含まれている必要があります。養分を作物に与えるために土壌に施すものが肥料です。もともと土に含まれている養分では足りない成分を肥料で補って、よく肥えた土にしていきましょう。
植物が必要とする養分

植物は、光合成によって二酸化炭素を吸収し糖やデンプンなどの炭水化物をつくります。その糖類から脂肪をつくることもできます。ところがタンパク質をつくるには、糖類とチッ素を結びつけなければいけません。植物は空気中のチッ素をそのまま取りいれることができないため、土の中で水に溶けたチッ素を根から吸収します。
このように根から吸収される養分のうち、とくに重要な働きをする【チッ素】【リン酸】【カリウム】は三要素と呼ばれています。その他にも成長に欠かせない微量要素があります。必要量はごく微量でも、不足すると特有の欠乏症状を現し、植物の生育が悪くなります。

※三要素を含め、植物に必要な成分と欠乏症状については、こちらの表をご覧ください。
[植物に必要な成分]
(別ウィンドウで開きます)
 
三要素について
  チッ素(N)
葉に作用する要素で、葉肥ともいいます。作物の成長にもっとも多く使われ、タンパク質をつくるアミノ酸や、遺伝子にかかわる核酸、葉緑体の原料になります。適量を与えると葉の緑色が濃くなり、葉菜類はやわらかく多汁質に育ちます。チッ素は葉からも吸収されるので、尿素を葉面に散布すると葉色がよくなります。  
  リン酸(P)
花を咲かせ実を付けるときに働き、花肥と呼ばれます。細胞の核になり生育を促進します。土壌での流失が少なく、早いうちに効かせたい成分なので、元肥として与えるのが効果的です。  
  カリウム(K)
根から茎の生理作用を調整する要素で、根肥と呼ばれます。光合成を盛んにして、できた養分を蓄えやすくするので果実の育ちをよくし、イモ類の品質を高めます。カリウムが適量にあるとチッ素の効きすぎを抑え、しっかりした茎葉をつくるための生育のバランスを保ってくれます。  
肥料の種類

肥料には有機質肥料と、鉱物などからつくられる無機質肥料、
三要素をバランスよく配合した複合肥料があります。

  有機質肥料
落ち葉や枯れ草に動物の糞を混ぜ、発酵させてつくる有機肥料を堆肥と呼びます。干したイワシの粉、油を搾った大豆の粕、動物の骨の粉などはチッ素、リン酸やカリウムをたくさん含む肥料になります。
有機肥料は土の中で微生物に分解されてから植物に吸収されます。そのため速効性はありませんが長く持続的に効果があるので、元肥に適しています。三要素に加えて微量元素がバランスよく入っているものもあります。ニオイはありますが、土を荒らさず、味のよい作物ができます。
 
名称 成分 酸度 効き方 用途
油粕 チッ素主体の三要素
+微量要素
中性 遅効性 元肥・追肥
魚粕 元肥
鶏糞
牛糞 三要素+微量要素
堆肥
骨粉 リン酸主体の三要素
+微量要素
米糠
草木灰 カリウム主体・リン酸 アルカリ性 速効性 元肥・追肥
  無機質肥料
植物に必要な成分を化学的に合成したもので、化学肥料、化成肥料ともいいます。植物が吸収しやすい状態になっているので、速効性があります。しかし水によって流れやすく、持続性がないので追肥に向いています。ニオイが少なく、病虫害をうけにくい使いやすい肥料です。与えすぎると肥あたりを起こしたり、土のバランスがこわれて土がアルカリ性になったりするので、適量を与えるようにしましょう。  
名称 成分 酸度 効き方 用途
硫安
(硫酸アンモニウム)
チッ素肥料 酸性 速効性 元肥・追肥
尿素 中性 元肥
過リン酸石灰 リン酸肥料 酸性 元肥・追肥
熔成リン肥 リン酸肥料
カルシウム、
マグネシウムを含む
アルカリ性 遅効性 元肥
硫酸カリウム カリ肥料 酸性 速効性 元肥・追肥
苦土石灰 マグネシウム、カルシウム アルカリ性 遅効性 元肥
  配合肥料
三要素や微量要素をバランスよく配合した肥料です。有機質肥料と無機質肥料を混ぜ合わせたものもあります。N-P-K=8-8-8のような表示はチッ素−リン酸−カリウムの割合を表しています。粉末、液状、粒状などいろいろなタイプがあり、持続性をもたせるために水に溶けにくくしたものや、土中微生物に分解されて効き目を表す固形のものもあります。タイプによって元肥・追肥と使い分けましょう。  
名称 成分 酸度 効き方 用途
化成肥料 三要素 酸性
〜中性
速効性 元肥・追肥
固形肥料 三要素
+微量要素
酸性
液体・粉末肥料 酸性 速効性 元肥
肥料の与え方

ふつうはチッ素・リン酸・カリウムの三要素と、
石灰(カルシウム)や苦土(マグネシウム)を与えます。
特徴的な症状が現れるときは、
症状に応じて欠乏している微量要素を与えましょう。

  元肥

種をまいたり、定植するときにあらかじめ与えておく肥料を元肥といいます。追肥では与えられない土壌の下層にも、元肥を施しておきましょう。堆肥を土と混合するように深くすき込みます。植えつけや種まきの時に肥料が直接、種子や根にふれないように注意してください。

元肥の施し方
施し方 適した作物
畑全面にすき込む 葉もの野菜・秋まき野菜
作物の直下に深く施す タマネギなどの球根類
作物の株間に施す サトイモ、ジャガイモなどのイモ類
畑の地表に施す ナガイモなど根が地表近くで横に広がる作物
畑全面と株間に施す キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなど
 
  追肥

作物の栽培途中で与える肥料を追肥といいます。元肥で与えた肥料は野菜に吸収されたり、雨で流れたりしているので、追肥によって不足分を補ってあげましょう。追肥は適量を根の先端あたりに与えます。速効性の肥料を地表にまいて軽く耕しながら土に混ぜたり、溝をつくって肥料をまき、土をかけておきます。液肥を使う場合は、水で薄めてかん水を兼ねて根元近くに与えます。


●作物の種類や状態に合わせて肥料を与えましょう。

  与えすぎに注意しましょう。

肥料を与えすぎると、肥あたり・肥焼けといわれる障害をおこします。土の中の肥料が濃すぎると、根の水分を奪ってしまいます。肥料が直接、種子や根に触れたり、葉にかかって障害が出ることもあるので、肥料を施す場所にも配慮が必要です。また肥料の成分が偏っていると、葉が黄色や茶色になったり、斑点が出たりすることがあります。肥料によって土壌が酸性化することもあるので注意しましょう。
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次回は「畝立て」についてです。

 

 
 
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