顧客満足について
約240年前に、人力や畜力をはるかに上回るパワフルな蒸気機関が出現し、それを動力源として利用した工場の勃興というイギリスから始まった産業革命によって、近年の工業化社会は幕を開けました。今では先進国に続き、世界中の大半の国々で工業化が進展し、人類はより安い製品をより多く作り使うことに腐心しております。
現在に至るまで戦前戦後の物不足時代においては、物の価値や良さよりも低価格やより多くの量が優先され、物さえ有れば売れるという、供給者サイドの理論が通じる時代が長く続きました。しかし、工業化されて久しい国々では20年以上前より、物余り現象と経済成長の鈍化という先進国が通る一つの通過点も経てきました。
その様な中、人の満足感は長続きしないもので、今の満足より更に上の物(事)を次々に求めるようになりました。そこに、新たな価値観を探り、顧客の要求を先取りする企業間競争が繰り広げられているのです。今では、物やサービスを売るだけではなく、物やサービスによって感じられる「感動」を売るという概念に変化してきているようです。
その「感動」とは、
(1) 品質が良いことによって得られる充足感、安心感。
(2) 待たされず、早く手に入れられる喜び。
(3) 他より割安なことによって感じるお得感。
つまり、流行るラーメン屋さんに例えるなら「美味い、早い、安い」という三拍子のことでしょうか。ただ、目や口が肥えた今のお客様は、それだけでも満足しないでしょう。それでは更に満足度を高めるために与えるべき感動とはなんでしょうか。
例えば
(1) 今までなかった製品・サービスを他人より先に使う喜び。
(2) お客様自身が日頃思っている要望について、それが聞き入れられている喜び。
(3) 省エネ・省資源・リサイクルなどの環境配慮製品・サービスの利用より、環境負荷低減に貢献しているという自負心、等々。
というような新たな顧客満足のハードルも見えてきました。これからも時代の変化と共に、人が欲しがる満足項目は更に増えてくることでしょう。
一つの地球に住む我々人類としては、ともすれば人に害を及ぼすこともあった工業化社会を、これからはより長続きし、人の満足度を高める工業化社会にしていく必要があります。人が将来にわたって、人の為に長く役にたつことを考え実現していくことが、真の顧客満足度向上に繋がるのだと思います。 |