ORECりんご農家 青森
古坂国雄さん

りんご農家 古坂国雄さん
りんご農家 古坂国雄さん

木も植物も根っこが大事

うちのりんご畑は親父の代から数えて100年ほどで、面積は2町5反くらい。主にトキ(フジと王林の掛け合わせ)を育てています。糖度を大切にしていて、糖度計で状態を見てから収穫をします。

りんごを育てる上で大切にしたのは土壌改良ですね。土にこだわってやっています。堆肥はすべて自然のもので、ホタテの貝殻を砕いたものと、籾殻を混ぜたものをまきます。
そうすると土が活性化し、ミミズなどが土を柔らかくしてくれる。やっぱり木も植物も根が大事だね。

うちで使っているのはオーレックさんの羽根つきのラビットモアー、これは本当に楽。初号機と2号機が10年以上前から活躍しています。オーレックさんは使いにくいとかこうしたいがあると改良してくれるのがいいですよね。

りんご農家 古坂国雄さん

人任せはだめ

栽培方法は「わい化」です。10年前くらいからうちも取り入れています。
昔は「まるば」っていう大木で育ててたけど、わい化栽培は収穫量がわかりやすく味も良い。

わい化栽培は枝と花の剪定をしっかりやると良いりんごができるんです。これは人任せはだめで、俺とお母のふたりだけでやっています。

枝を金具でひっぱって上に向かせるのは陽の光のほうに向かせるため。基準より跳ね上がったものは切ってならします。そうすればこの枝はもうのびなくて、実だけがなる。

花は一株に5つずつくらい咲いて、真ん中だけ良い実がなるんです。なので周りをとって、真ん中だけを残す。真ん中がお兄ちゃんで、周りは弟。お兄ちゃんだけを強くする(笑)

この剪定がだいたい2〜4月までで、1年中休む時間はありませんね。毎日5時半から17時までずっと畑にでっぱなしです。でも雨が降ったら、お風呂屋さんにいく。そんなには働かないよ(笑)

りんご農家 古坂国雄さん

手をかければかけるほど、りんごはこたえてくれる。

毎年良くなれと思いながら頑張って作って、もう40年になるかな。風がきたり、病気がきたり、虫がきたりなかなか難しい。ただ、りんごは手をかければかけるほど美味しくなる。それがやりがいですね。
食べればわかるんだ、うちのりんごは。他の畑とは全然味が違う。それが自信ですね。
りんご食べた? 今食べてよ (笑)

美味しいりんごの見分け方は、つる割れ。つる割れというのは、これ以上大きくなれないほど大きくなったりんごのつるの近くが割れてしまう状態のこと。これが美味しい印です。
ただ出荷はされないんだけどね(笑)あと一番美味しいりんごは、虫が知っています。 虫食いりんごはとっても甘いんだ(笑)

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りんご作りは、自分の楽しみ

友達と家族、親戚のみんなが手伝ってくれるからやっていけてます。息子は今違う仕事をしてて、忙しいときは手伝いに来てくれるけど、いつか継いでくれるのかな。

私は野原を開拓してりんごを育てたり、やっぱりなんでも自分でやることが好きなんですね。今はりんご作りが自分の楽しみになった。これしかできないって感じです。

※町・・・畑や水田の面積で使われる単位
1町=10反=3000坪=約1ha(ヘクタール)となります。

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