開発部 開発グループ(2013年入社)
九州産業大学 工学部 機械工学科 卒業
小さい頃から自動車や機械が大好きで、就職活動でも「モノづくりに関わる仕事」というところだけは譲らなかったという久米田さん。
大学で学んできた機械工学の全般的な基礎知識は、ここで農業機械を開発する上でも大いに役立っています。設計をするだけでなく、現場にも出て試作機などを自分たちで手づくりというところが、オーレックならではの開発スタイル。だからこそ、モノづくりの面白さを実感できます。
入社から一貫して畑の管理作業機・ミニ耕耘機の担当として仕事を行ってきました。ORECと言えば草刈機のイメージが強いですが、以前は管理機・ミニ耕耘機が主力の時代がありました。ORECユーザーの中には今でもORECの管理機しか使わないというような方もいらっしゃいます。そのような方々や、まだORECの管理機・耕耘機を知らないという方々に満足していただく新製品を創ることが私の最も重要な仕事だと感じています。現実は難しいことも多くあり、なかなか上手くいかない部分もあります。
新製品を世の中に出していくためには、会社内での試作、設計はもちろんのこと機械の性能の確認、部品の耐久性の確認、製造コスト等々、、、その度に悩んだり、時には振り出しに戻るようなことだってあります。また、社内の重役の方々に良さを伝えたり製品の価値を納得していただかないといけません。(実はここが一番難しいかもしれません・・・)製品というのは、いわばORECの顔であり、会社を代表するものになります。やはり社員のみんなが自信を持てるような機械でないといけません。そのようなものを創る開発部の仕事は非常に重要であり、やりがいが大きい仕事です。
農家さんとのやり取りを通じて生まれたアイデアをもとに、私たちはさまざまな機械の開発に取り組んでいますが、そこにはまだ製品化されていないものも数多く含まれています。その中で、私がもっとも力を入れているものが、畑の雑草を取り除くための除草機。最初は正直、「これを実現させるのは無理だ…」と思いました(笑)。というのも、この機械に求められる機能は、畑の作物には一切キズをつけず、周囲の雑草だけを機械で取り除くというもの。しかも、草刈機のように刃で表面の雑草を刈り取るのではなく、根まできちんと取り除けるようにするんです。
一般的な農法であれば、こうした雑草は農薬を使って枯らせてしまいます。でも、有機農法を実践している農家さんたちにとっては、作物周辺の養分を吸い取ってしまうこうした雑草の存在は頭の痛い悩みのタネ。取り除くには人の手が必要不可欠で、多大な時間と労力を費やさなければなりません。それを機械で解決しようというのは、まさに「不可能」を「可能」にする挑戦。技術者としては、これほど意欲をかき立てられる仕事はないでしょう。とはいえ、「あまりにハードルが高すぎじゃないか?」と思ったことも事実ですが…。
単純に目に見える雑草を刈るだけではないので、試作機の成果はシーズンを通して判断する必要があります。そのため、時間はかかりますが、最近ではようやく農家さんから「良くなってきてるよ!」とお褒めの言葉をいただけるようになってきました。徐々にですが、確実に手応えは掴みつつありますね。開発が成功すれば、安心・安全な野菜を気軽に食べられる世の中に。社会的な意義の大きさも実感しています。
開発がスタートすると大きなプレッシャーや、どうしたら良いかわからないこともたくさんあります。そんな中でも頑張って仕事を続けられているのは、上司や同僚の方の支えや、いつも協力していただいている農家の方々の期待、さらには今までのORECを引っ張ってきた管理機・耕耘機を現状のままで終わらせたくないという気持ちがあるからです。
現在は、トラクターなどの大型で乗用のタイプが主流の世の中ですが、管理機にしかできないこともたくさんあります。もっと多くの事に利用できる可能性があります。入社から一貫して管理機・耕耘機の担当をしてきたことで、良い所・悪い所もわかってきました。悪い所は改良して進化させ、良い所はもっと良くして深化させることで、今、主力草刈機の陰に隠れている管理機・耕耘機をもっと表に出していきたいなと思います。
開発部 開発グループ(2013年入社)
久留米工業高等専門学校 機械電気システム専攻 卒業
「休日には好きなメンバーたちが集まってスノボーや釣りに出掛けるなど、社員同士の仲がとても良いというところも、ORECの魅力。楽しく仕事を続けられます」と落合さん。
大手メーカーのように開発業務が細かく縦割りに分業化されておらず、すべての工程に一貫してたずさわることができるという点に魅力を感じて、私はORECへの入社を決意。ここであれば、「自分が何をつくっているのか分からない…」といった状況に陥ることなく、モノづくりを心から楽しめると考えました。
そして、実際に入社してからは、当社の主力製品のひとつである乗用草刈機『ラビットモアー』シリーズがバージョンアップしたRMK150という機種の開発に携わることに。元々この乗用草刈機『ラビットモアー』は、立ったまま作業をすることが難しい果樹園などで利用される製品なのですが、私たちは「等間隔で並ぶ樹木を自動的にかわしながら木々の間の草を刈れるようになれば、今よりもっと便利になる」と考え、試行錯誤を重ねながらその開発を進めました。
2年目までは試作機の製作を主に手掛け、3年目からは徐々に設計までを任せられるようになり、着実に成長を続けながら開発に取り組んできましたが、ついにこの製品が2016年3月に量産化。およそ3年をかけてつくり上げてきたものが、世の中に出ていくと思うと、本当に感慨深いものがありました。「ああでもない、こうでもない」と言いながら自分たちで開発を進めてきた製品は、もう我が子のような存在(笑)。そのデビューに入社3年目で立ち会えるというのは、とてもラッキーなことでした。
そして、この製品は現在、国内だけでなく、ヨーロッパでも販売中。さらに入社5年目には、現地(ヨーロッパ)で実際に自分が携わった機械がどう使われているのか、それを確認するため、海外出張の機会も頂きました。地球の裏側で自分が携わった製品を使っていただいている姿を見たときは感動しました。
1つの製品開発に一から十までたずさわることで、思い入れのある製品作りができる点こそが、ORECだからこそ味わえる仕事の醍醐味。現在は、また別の機種の開発に携わっていますが、設計の約半分ほどを任せていただいてます。不安やプレッシャーはありますが、それ以上に「やりがい」もあります。自らのアイデアがふんだんに織り込まれた製品を世の中に送り出すことができれば、得られる感動は今の何倍も大きいはず。そこにいち早く到達することがこれからの目標です。